熱烈!! 岩波書店の文庫にかける思い 『岩波文庫論』を読んで
岩波書店の文庫にかける思いは熱烈なものだった…
岩波書店ときくと、私は人文社会系のテキストなどを思い浮かべる、
(大学での専攻が人文社会学系であったこともあり…)
本屋に並んでいる本を見ると、割と堅めな感じ?とも思う。
この岩波書店の創始者、岩波茂雄の『岩波文庫論』を読むと、岩波さん(と呼ばせてください)の文庫への思いは並々ならぬものであると分かる。
電子書籍、正直に言うと、とても読むのが苦手なのだが
無料と言われると。。。。ね。)
ところで
円本、をご存知だろうか?
(私は、ああ、日本史でやったなあ〜〜聞いたことあるなあ〜〜くらいしか知らなかった。)
円本は1926年に改造社が刊行しだした『現代文学全集』を発端に多くの出版社が1冊1円でだした本。
1円と聴くと、安っ!!となるけど、当時の1円は大卒の初任給の2%に値したということなので、
20万×0.02=4000円くらいか?
これが廉価と言われていたようなので、当時の本の価格は今に比べるととても高かったのだろう。
(※1)
岩波さんが本屋として活躍する時代にはこの円本が流行していた。
この流行に対して岩波さんは 猛 烈 に 反撥している。
廉価であったがその編集方法や購買方法(全集なので、1冊ずつは買えず、50冊前後をまとめて買わねばならなかった)に、大きな怒りを感じたのである。
本文中に当時の思いを引用した箇所があるのだが、その文章を読むと、怒りはこんな風に文章に表せるのか…と感じさせられた。これほどに、怒りがふつふつと沸いているのが目に見えるように分かる文章はないような気がする。これは、是非読んで頂きたい。
そのような強い反撥を感じ、
岩波さんは本屋は廉価で良いものを提供すべし、という熱い熱い信念に基づいて、
『古今東西の古典』を、お金も時間も惜しまずに文庫化していったのだという。
この精神はいまの岩波書店(岩波文庫)にも受け継がれている。
岩波書店のホームページをみると、いまでも岩波文庫に古今東西の古典を収めるとある。
今も受け継がれる精神ってこういう事なんだろうなあ。
今まで、古典て難しいしちょっと退屈〜〜と思っていた自分に喝を入れたい。
カアアアアアーーーーーーツ!!!!
ということで、岩波さんがオススメする古典を少しずつ読んでみようと思った結衣でした。
(ちなみに、1つ前の記事で読んだ「いき」の構造も、岩波文庫。繋がった。ふう。笑)
※1 wikipedia(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%86%E6%9C%AC)参照