ブログという書物 『遊骨文庫』を訪れて
『本の逆襲』(内沼晋太郎)によれば、
これからの時代、本は紙媒体に印刷されたものには限らないんだそう。
確かに、Kindleなどの電子書籍もたくさん出ているし、そうだよなあ。
そもそも本の始まりって紙じゃなくて木に書かれたりしたものだしなあ・・・ふむふむ。
じゃあ、ブログはどうなのか?
そう思い、ブログサイトを眺めてみると、
芸能人のブログのように、自撮りがたくさん載っていて、
「今日は○○していました~!」という日記のようなものから、
美味しいご飯の写真とレシピが掲載されているブログまで様々存在する。
ちなみに私は本も好きだがサッカーも同じくらい好きで、
中でもマインツの岡崎慎司選手が大好きなので、岡崎選手のブログは毎日チェックしている。
(・・・どうでもいい・・・)
自撮りを載せるような軽い内容じゃない!と怒られそうではあるけど、アンネの日記とかも元は個人の日記だし、最近ではブログがまとめられて本になったりもする。
レシピのブログなんかは、料理本と大差ないくらい綺麗にまとめられているものもあり、とても便利。
あれれ、こうして見てみると、ブログもほとんど本と変わらないのでは?
ということで、今回はひとつのブログを紹介してみよう。
このサイトはつい先日まで受講していた「これからの本屋講座」で私と同じ三期生として受講されていた、
寛野ひろみさんが運営されている。
寛野さんは、
不登校からひきこもり、そしてニートになった息子さんと、(寛野さん曰く自由人の)娘さんの二人と暮らし、実家に頼らずパートで生計を立てるシングルマザーだ。
大変そう…と思った方もいらっしゃるかもしれないが、プロフィールにはこう書かれている。
確かに私も息子も、一般的な社会のレールから外れた生き方をしています。
しかし、規定の枠組みにはまってがちがちに生きていくことが向いていないなら、ぼろぼろになる前に楽な道に方向転換したっていいんじゃないでしょうか。
経済的に不自由な面はあっても、自由に楽しく自分らしく生きる!
そんな生き方をご提案できればと思っています。
とってもとってもポジティブなのである。
これは実際に寛野さんにお会いした時にも感じたし、
ブログの文面にも表れている。
このブログには、自由に楽しく自分らしく生きる方法や、参考になる書物が提案されている。
◇紹介されている書物の一部
『計画と無計画のあいだ 「自由が丘のほがらかな出版社」の話』
(ミシマ社代表 三島邦弘 著) 河出書房新社刊 2011年
『減速して自由に生きる ダウンシフターズ』
(髙坂勝 著) ちくま文庫 2014年
遊骨文庫を私がいいなあ、と思うのは、このような本を読んで「こういう暮らしをしましょう!(キラーン)」というのではなく、「ここまで自由に生きるのは難しいけど、この本のこういうところは自分たちの生活にも取り入れられるかもしれないですね」と提案してくれるところだ。
『減速して自由に生きる ダウンシフターズ』について書かれている記事でも、
「オーガニックな食材を使った料理でも最終的なコストは変わらない」、と言われても、ただでさえ値上げラッシュの昨今、子どもがおなかいっぱいになるまで買ったらいくらになるんやろ?
と最初は本に懐疑的だったと書かれているけど、
この本に感銘を受けた人との出会いで本を再び読まれたそうで、
この書物に書かれている半農半Xなどの考えに触れ、
あらためて読んでみると、いろいろと参考になる生き方が提示されていて、できることとできないことはありますけど、考え方はこれからの社会に有効的かもなあとしみじみ思いました
と。
そして最後には、「試しに読んでみてもいいのでは?」という提案で締めくくられている。
うん、好きだなあ。
本にのめり込んでいる人から、
この本は素晴らしい本ですよ!!!!読みなさい!!!
と言われるよりも、
遊骨文庫のようにオススメしてくれるひとの考えも知れたほうが、楽しみが倍増する。
ああ、このひとはこんな風にこの本を読んだんだな、
ここは共感できるなあ、
でも私はここはこんな風に感じるなあ、と
本を通じて人と対話できる。
そんな素敵なブログ。
私自身、仕事が決まらず、ずどーーーんと落ち込んでいたときに遊骨文庫を読んで、
楽しく無理せずに生きていこう~~~と思えたので、
ああ、、、辛い!逃げたい!と思った時に読むのもいいかもしれない。
本結も、誰かが読んで、本っていいものだなあ、とか、本が身近にある暮らしもいいかもなあ、とか、少しでも思ってもらえるようにぼちぼち頑張っていきたい、
寛野さんにいただいた
「しんどくなったら意味がないから、無理せずに楽しみましょう」
という言葉に励まされながら。